Inside Llewyn Davis | In Cinemas January 24TH 2014

ボブ・ディランが憧れた伝説のシンガーの回想録を元にコーエン兄弟が映画化! ひたむきに生きて、歌い続けた名もなきシンガーと猫との1週間の物語。

 アカデミー賞®監督コーエン兄弟の最新作『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』は、ボブ・ディランが憧れた伝説のフォーク・シンガー、デイヴ・ヴァン・ロンクの回想録をベースに兄弟が脚色。カンヌ国際映画祭において大絶賛と共に見事グランプリを受賞しコーエン兄弟の健在ぶりを世界に知らしめた。  
 物語の舞台は1961年、NYのグリニッジ・ヴィレッジ。ライブハウスで歌うフォーク・シンガーのルーウェン・デイヴィスは、最近何をやっても裏目に出てばかりだった。レコードはまったく売れず、一文無しで知り合いの家を泊まり歩く日々。つい手を出した女友達からは妊娠したことを告げられ、おまけに仕方なく預かるはめになった猫にも振り回される始末。そんなトラブル続きの日常から逃げ出すように、ルーウィンはギターと猫を抱えて人生を見つめ直す旅に出る…。

彼らがいなかったらボブ・ディランは誕生しなかったかもしれない

 ルーウィン・デイヴィスのモデルになったのは、1960年代グリニッジ・ヴィレッジのフォーク・シーンの中心的人物だったフォーク・シンガー、デイヴ・ヴァン・ロンク。ボブ・ディランとも交流があり彼が憧れたというヴァン・ロンクの回想録にインスパイアされコーエン兄弟はこの物語を作り出した。映画の舞台となる1961年のNYではフォーク・ミュージックが流行、多くの若者たちがコーヒーハウスと呼ばれたライブハウスでフォーク・シンガーの歌に耳を傾けていた。ルーウィンもそんなフォーク・シンガーの一人。フォーク・ミュージックをこよなく愛し、ひたむきに生きるルーウィンのような名もなきシンガーの活動がなければ、ディランのような新しい才能は生まれなかった。移り行く時代のなかで打ち拉がれ、何度も夢を諦めかけながらも懸命に生きるルーウィンの姿をとおして理想と現実の間で悩んだり、うまくいかない人生に悪戦苦闘する人々にエールを送るコーエン兄弟の新たな傑作が誕生した。

映画を彩る選び抜かれたフォーク・ソングの名曲の数々
オスカー・アイザックの奇跡の歌声に心が震える


 ツキに見放されながらも人々を魅了する歌声を持ったルーウィン・デイヴィスを演じるのは、映画初主演となる本作で一躍脚光を浴びたオスカー・アイザック。今回、劇中のライブ・シーンをすべて吹き替えなしの生の録音で挑み、観る者の心を揺さぶる見事なギター・プレイと歌声を披露している。共演には『華麗なるギャツビー』(12)のキャリー・マリガン、ミュージシャンのみならず俳優としても注目を集めるジャスティン・ティンバーレイク。また、音楽プロデュースを手掛けるのはコーエン兄弟監督作、グラミー賞受賞の『オー!ブラザー』(00)などを手がけた名プロデューサー、T・ボーン・バーネット他人気フォーク・ロック・バンド、マムフォード・アンド・サンズのマーカス・マムフォードも参加している。さらに音楽だけでなく美しく、淡い色合いで映し出された60年代初期のNY、グリニッジ・ヴィレッジの街並や若者達のファッションにも注目したいところ。尚、本作がコーエン兄弟の最後のプリント作品になるといわれている。